借りぐらしのアリエッティ、感想

アリエッティかわいいです。



昨日公開の「借りぐらしのアリエッティ」観てきました。
ネタばれしない範囲で感想書きます。


まず、一番印象に残ったのは「音」でした。
なんだったか過去にも似たような演出を観た気はするんですが、
小人のアリエッティが耳にする音と人間が聴いている音では響きや篭り方が異なる。
そういう演出によってアリエッティの小ささがより際立つという演出が見事だなぁ、という印象を受けました。


あと「音」と同様にアリエッティの小ささを際立たせる演出として、高さ方向の移動や「高低差」を多く用いている、というのも感じました。
よくジブリの映画ではキャラクターがどこかからどこまでの「移動」そのものをストーリーや演出のひとつとして盛り込むことをしますが、今回のアリエッティでは小人ということもあり特に「高低差」の演出が際立っていました。しかもそれを人間の家の中で家具や机を移動する際に使用される、つまり小人のアリエッティが移動すること自体がこの作品の魅力でありおもしろさである、ということが言えると思います。


最初「借りぐらしのアリエッティ」というタイトルを観たときは(たしか一番最初に情報が出たときは原作にちなんで「床下のアリエッティ」だったように記憶)、変なタイトルだなと感じたんですがいざ映画を観た後ではこのタイトルがしっくりきますね。


声優も特に違和感がなかったです。アリエッティがお父さんを呼ぶときの「お父さん」のアクセントが前じゃなくて後ろなのが不思議でしたが、まぁ別にです。


内容と言うかテーマに関しては自分が最初予想していたのとはまったく違っていました。これは原作を読んでないのでなんとも最初から見当違いではあるんですが。
それよりもアリエッティは丁寧に描かれていたんです翔のキャラクターというか内面をもっと深く細かく追ってほしかったなぁ。そうすれば翔のすべてのセリフがもっと活きてくるんですが…そこがちょっと残念なところでした。
というか表向きの主人公はアリエッティだけど本当の主人公は翔で、アリエッティとの交流を通じて翔が精神的に成長するとか人生に希望を持つ、ということが真に表現したかったテーマなんじゃないのか?と思ったんだけど…それが翔がはじめから完成されているキャラクターのように見えるせいでちょっとというかまったくわかりにくいんだよね。翔がシンジのようなキャラクターとして描かれていたら超名作に成り得たかもしれない、と思ったんだけど…というかそんなことは最初から狙ってないか。


ついでに、全体的には楽しいんだけどなんでだかわからないけど何箇所かなんだか心がざわつくというか不快感を感じる部分はあったんですが…忘れた。虫が苦手なせいかな?


米林宏昌監督の次回作にも期待しています。