「星を追う子ども」感想




昨日公開の「星を追う子ども」を観てきた。
仕事が終わってからチネチッタでレイトショーを2回。


※以下はネタバレになるかも※



背景は言わずもがな、2時間近い作品ですが全体的に完成度が高く、あいかわらず新海誠監督の作品は良くも悪くも演出が特徴的だなあ、という印象。
しかし特に今回は何度もジブリ作品の既視感が感じられてしまうのは…狙ったのかしら?
あと観るまで予告編くらいしか情報を入手してなかったので、ストーリーがド直球のファンタジーだったのがおどろいた。まさかこれまでの新海作品の流れから王道のファンタジーが来るとは思わなかったです。


で、感想。
1回目観たときこれは「喪失」の物語で、正直にひとことで言ってしまうとつまらなくておもしろくない作品かな、と思った。
でもなんだか引っかかる部分というか惹かれる部分というか、自分の受け取り方が違うような違和感が強くてもう一度観た。


で、2回目を観た後この作品は女の子、女性向けなんだ、ということに気がついた。
これは女の子アスナジュブナイル物語。アスナが「喪失を受け入れて乗り越えて成長する」物語。
そう考えると「星を追う子ども」は女の子や女性に人気が出る作品なんだ、と思った。
新海監督の作品は女性的というか、女の子を魅力的にリアルに描けるのというのも背景と並んで特異な才能だよなあ。


シュンもシンもそれぞれが違う喪失を抱えているけど自分のやるべきことはわかっている。
二人とも未熟だけどはじめから大人で、アスナの憧れでありナイト。


1回目は自然に感情移入できるキャラクターが自分と近い年齢のモリサキ先生なので、モリサキ先生視点で観ることになってしまう。
そうすると大人になりきれないモリサキ先生の無常な夢の喪失の物語になってしまって正直これはツライ。で最初の感想になってしまった訳です。



古今東西ジュブナイル物語はあるけれど、いままで自分が少女が主人公のジュブナイル物語なんてほとんど観たことがなかったから1回目を観たときにはそれと気づかず違和感を感じてしまった。
でも最初から自然にアスナに感情移入できる人にとっては、特にアスナと同年代の女の子が観たらこれは心に残る作品になる、と思った。



で、結局レイトショーを2回観て特典のポスターもらった。
このポスターは劇場で貼ってあるポスターよりも全然良いね。


ネットに上がっているすべての感想を読んでからもう一度観ようと思う。


あと、なんで時代設定が1975年なんだろう…


あとはコミカライズも予定されているようだけど小説化してほしい。
文章で読んでみたい、と思った。


ついでに最後のスカーフの演出、良かったなぁ。2回目でようやく気づいたよ。